Career of Straw shrimp 14 years
ストローエビ歴14年
先日ある番組でストローアートを収録するためセットを組んで貰って作品撮りをしました。
夏になると情報番組などからお声が掛かることがよくありましたが、
ブームのエコやリサイクルの視点で紹介されることが殆どでした。
素材としているプラスチックが、ゴミになる前の流用というイメージを持つ人が多いからだと思います。
でも、よくよく考えてみると、地球上の全てのものは長いスパンにおいてリサイクルですから、
それは、誕生して高々100年のプラスチックを、線ではなく点のような視点でしか観ていない偏見です。
洋服を買う時、ゴミになる一歩手前と思って買う人がいるとしたら、私はつまらないだろうなと思います。
気が付くと、ストローエビを台湾の吸菅工芸の金魚から発想して創りはじめて14年になりました。
最初は趣味でエビだけを作っていたので、5分で一尾出来るのが楽しかった頃。
生物の先生にエビは十脚類だと指摘され、脚を6本から10本にしたことや、
スーパーマーケットのエビを手本にした短い触角を見た漁師さんが
「これぞ本物」と長い保冷箱に活きたエビを送って下さったこと。
使い慣れたストローが廃版になり、新たなストローを見つけ、手順を見直したこと。
・・・様々なプロセスを経て、集中したり、少し離れたりしながら14年作ってきたのだと振り返りました。
今でも、取材ではエビ作りのプロセスを録りたいとよく言われます。
「またエビ~?!」と思うこともありましたが、私自身に新しいエビの一面を見せてくれることもあります。
撮影セットの脇で、置いてある資材と点けられたままの照明で撮ってみると、
こんなに影がくっきりと魅力的に写りました。