History of Plastic [2]
プラスチックの歴史(2)


 私は、20世紀はプラスチックの世紀と言っても過言ではないと思います。

 1900年代の初めには、火薬のように燃えやすいセルロイドの欠点を改良した酢酸セルロースが開発されました。
飛行機の翼や胴体を堅牢に防水するためや、映画のセーフティーフィルムとしてなど、その後広く使用されました。
無脂肪牛乳(脱脂粉乳:乳脂肪分1.5%未満とは違い、生乳から乳脂肪分を除去し、無脂肪0.5%未満)にしたもの)とレンニンから、硬く成型可能なカゼイン・ホルムアルデヒドもこの時期に開発され、ボタン、バックルおよび編み針などの用途に使われました。


 1907年 世界初の人造(合成)プラスチックであるベークライトが、この年に誕生、特許が取られました。
レオ・べークランドによってフェノールおよびホルムアルデヒドの縮合生成物が発明され、ベークライトと名付けられました。
優れた電気絶縁の特性は自動車と工業製品の絶縁体に使われ、
その後、電話、ラジオ・キャビネット、灰皿、カメラなど様々な商品用途が見いだされ、
木目風に加工されるなどして、自動車のダッシュボードやノブには一般的な素材になって行きました。
プラスチックの父 レオ・べークランド
 べークランド(Bakeland)ベルギー生まれの化学者で、ベークライトで成功をおさめる以前に、写真の印画紙(1889年ヴェロックス)の開発に成功し、その発明を750,000ドルでコダックに譲渡していました。
そして、1911年(明治44年)べークランドの親友であった高峰譲吉博士が品川の工場で試作を始めました。
これが日本のプラスチック工業の第一歩となりますが、当時から日本の工業生産技術は抜き出ていました。

 余談ですが...
アニメ「ONE PIECE」で思い浮かぶ麦わら帽子ですが、岡山県寄島町で、
麦稈真田(ばっかんさなだ:麦わらで真田紐のように編んだもの)の帽子の生産が明治34年(1901年)に始まりました。
同じ頃、まだプラスチックではない麦わらの飲用ストローの生産も始まりました。


 私が子供の頃、祖母の姉がプラスチック製のものを「ベークライト」って、よく言っていました。
もうポリプロピレンのストローも登場し始めた時代でしたが、その年代の人にはプラスチックの代名詞だったのでしょうね。

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