"津"と"星"のお話

 というのは船着き場のことです。「津津」と書くと「しんしん」とも読んで次々と湧き出て潤す様子を表して、興味津々という言葉が浮かびます。また「津々浦々(つつうらうら)」というのは、いたるところの港や海岸の意味ですが、地図を見るとわかるように日本全土を津や浦が取り巻いているので国じゅう(全国)ということになります。津は昔から日本の国には欠かせないものですね。いつもは自然の恵みであり、時には自然の脅威となって津から齎されているといっても過言ではありません。
 古代の大阪湾は今よりもずっと奥にありました。現在の住吉大社の側はすみのえ(墨江―住吉の津)で、神社は日本で最初の国際港の航海の安全を祈願して建てられたものだということです。今も道路の脇に当時の津の名残である灯台があります。全国にある「住吉灯台」はここから広がって行ったのではないでしょうか。
 住吉大社はお祓いと海(航海安全)の神様として知られていますが、和歌の神様でもあります。和歌―大きな意味での日本の詩の神様といえますが、松尾芭蕉の「奥の細道」の終着点である大垣にもまた住吉灯台があります。そこには「蛤のふたみに別行秋そ」の句碑があります。大垣は海から離れたところに位置しますが、海の蛤の蓋身と、夫婦岩で有名な伊勢の二見の湾(浦)を重ねた句だと思うと芭蕉の心象が伝わって来ます。



 津々を音で書くと「ツツ(tutu)」となりますが、この言葉には謎があります。

私が最初にツツが星の意味であるらしいことを知ったのは万葉集に「夕星(ユフヅツ)」という記述があることを教えてもらってからのことです。また古語の粒だというのもいかにも星のイメージです。九州の神社にも星をツツと読ませる風星(カサツツ)の神などの記述が残っているそうですが、「火小」「火石」どちらも「ホシ(hosi)」に似たですが、火の小さな石は、大昔の人には火のように見えた流れ星が隕石となったことを意味しているのではないかと書かれているブログがありました。なるほど・・・。

中国の特殊なストローで作った幸福の星

 また住吉大社に戻りますが、ご祭神(住吉三神)の底筒男命 (そこつつのをのみこと) 、中筒男命 (なかつつのをのみこと) 、表筒男命 (うはつつのをのみこと) はそれぞれ海の底・中・表のを表している海の神様です。この「筒」もツツと同じ音なのですが、航海の道標となる星を象徴しているとも捉える説があります。
私もいろいろ想像を巡らせていて、天筒草命(アメツツクサノミコト)という神をみつけたのですが、住吉大社の神主をつとめる津守氏などの祖神だそうです。私は、「筒草」は中空の植物である葦をイメージします。葦はメソポタミア時代にストローの用途で使われ始めたそうなので、縁があるのかもしれません。

津々の表筒に天のツツ映えて煌めく

という字をよく見ると、火と皇に分かれ、皇は神のことや日本のことも意味しています。またもっと分解して、白と王は、「ノ」を移動することで日と生で星になりますが、燃えるような星は太陽を想わせます。

太陽の光で星を見るお守


作り方 http://kitchenplasticarts.blogspot.com/2009/08/blog-post_04.html

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