はっきり言わない人達 2

 英語と日本語の違いを最近感じることがあります。
何かを勧められて断る時。日本語なら「結構です」、英語なら「No,thank you.」です。
「結構」って充分な様を表すのでしょうから、「充分足りています(ので要りません)」ということを言っているのでしょうけど、私にとっては「結構なお手前で・・・」はよく耳にした言葉で、「結構」は「行き届いた」「満ち足りた」という褒め言葉にもなり、「結構です」は「要りません」を省略しているので曖昧な感じがします。その点英語は最初にはっきりと「No=要らない」を言った後、「Thank you=(お気持ちは)ありがとう」という順序になっています。
日本語は、主語を省略したり、断定的な否定を避けて相手に気持ちを考えさせる言葉で、場の雰囲気を壊さずに風情があって、それが中庸・調和を第一に考えた言葉なのだと思います。外国でも日本に関心のある人は、謙ったりすることを知っていますが、それでも、世の中のテンポが速くなって落ち着いて相手の気持ちを読み取ることが難しくなると誤解が生じやすいのかもしれません。日本的な言い方と英語的な言い方を使い分けられればいいのですが、今は日本の中でも謙譲・尊敬など完璧に言える人が少なくなって来ているので、世界とコミュニケーションするためには、だんだん日本語の構成も変わって行くのかもしれません。

Popular Posts