初心不可忘 ストローエビ
「初心忘れるべからず」
何かを始めた時の新鮮な意欲ー子どものような気持ちをいつも忘れないようにと思って来ましたが・・・
世阿弥の説く本来の意味は少し違うことを教わりました。
世阿弥は、若い頃の未熟な芸や、
それぞれ年齢ごとの芸の初めての境地を示し、
芸の向上をはかる物差しとして
この「初心」を忘れてはならないとし、
各年齢に沿った3つの言葉を残しています。
「是非初心忘るべからず」は、
若いころの未熟な芸を忘れなければ、そこから向上した今の芸を正しく認識できる。
「ときどきの初心忘るべからず」は、
各年齢相応に学んだ時に出会った境地を忘れなければ、幅広い芸への進歩がある。
「老後の初心忘るべからず」は、
老後にさえ、ふさわしい芸の初心があり、それを忘れずに芸の向上に励むこと。
この3つをあらゆることにつながる教えとしています。
ところで、先日私の10年も前の古い作品がネットのシェアで広がって、本人の私のところまで届いたので驚きました。なぜ今頃なんでしょう・・・。だれでも未熟な時期があって当然なので観て戴くことは一向に構わないのですが、それが現在の作品であるかのように広がるのはよくないことです。これも、前に書いた動画のように無断転載画像です。
2001年
作り始めて間もない初心者の頃の作品です。台湾のお土産の吸管造形工芸の金魚とイルカを元に、自分でエビを作ってみて嵌ってしまって楽しくなって来た頃でした。
最初の写真とほぼ同じ時期です。脚が左右に3本ずつ計6本しかありません。生物の先生から「エビは十脚類ですよ」と教えて戴き、それからは十本の脚を切っています。子どものための科学のサイトをしていたので、間違ったことを覚えられてはいけませんから・・・。
最初の写真とほぼ同じ時期です。脚が左右に3本ずつ計6本しかありません。生物の先生から「エビは十脚類ですよ」と教えて戴き、それからは十本の脚を切っています。子どものための科学のサイトをしていたので、間違ったことを覚えられてはいけませんから・・・。
2年後、敬老の日の中日新聞に掲載された時のエビです。
(浦壮一郎さんの撮影です。写真は浦さんに著作権があります)
2011年
先日久し振りに作ってみました。
始めた頃はたどたどしく、間違ったところ(脚が6本)もあり、書体に喩えれば子どもが書いたひらがなのようで、少し経った時には荒削りですが楽しいポップ体のようなひょうきんさがあります。
新聞に掲載された頃は、日本で最初の「ストロー細工」の本を夏休みに出版した頃で、鋏を入れる回数や形もきっちりとして楷書のようなエビだと感じます。
そして先日のは、仕事の気分転換に切ったものですが、行書のようなエビだな・・・と思いました。
いかがでしょうか?
最近ストローアートを知った方も、長く続けて楽しんでいただけると嬉しいです。