昭和という時代と玩具
私の知りあいの先生が、3~4年前に鳥取工業高校の物理室を整理されていて、写真の浮沈子(ふちんし)を見つけて撮って見せて下さいました。どうやら昭和初期に作られた実験器具らしいとのことで、ブログを通して、また誰かに見て戴くことを喜んで下さっています。
足利裕人先生撮影
元々潜水艦などの仕組みを学ぶ目的があったという説もあり、日の丸がついていて、科学技術と軍事の関係を想像させるところもありますが、お子様ランチの国旗もしかり、私は高度成長期に子ども時代を過ごしましたが、良いも悪いも国民が同じ一つの目標を持てたのが昭和時代だと思います。
(モノの伝播というのははっきりとした一本のルートではないと思います)
その浮沈子ですが、英語ではCartesian diver(デカルトの潜水夫)という名前があります。(デカルトの発明ではありませんが)さぞかし欧米では周知で発展しているものだろうと思って外国人に訊いてみると、意外にも「知らない」という答えが返ってくることが多いのでした。確かにドイツ周辺の国には吹きガラス細工の浮沈子などがあって、一部のマニア達には垂涎モノですが・・・
Windbruch http://www.flaschentaucher.de/
Jurgen Ertel und Siggi Hauch
アメリカではランチパックに入れるような小さなケチャップの袋を浮き沈みさせ、そのしくみを実験して見せたりしています。でも、私はオモチャとしての魅力はあまり感じませんでした。 私の幼いころ(昭和30年代)天王寺公園の縁日で浮沈子を見た記憶があります。後付けの記憶になりますが、その頃も「ういてこい」という名で売られていたそうです。私はその試験管の中で浮き沈みするそのオモチャがとても欲しかったのですが、誰かに「買って帰ると動かないインチキや」と言われたように覚えています。
下記の浮沈子はその著書を出版した後の作品で、作り方はネットに公開しています。
- 和名高速W回転浮沈子
http://g3400.nep.chubu.ac.jp/onsenkids/itc-kids/recipe/hwr/wr-diver.html - 英名スピン・ロケット-カルテシアンダイバー
http://www.wikihow.com/Make-a-Spin-Rocket-Cartesian-Diver