振袖の着付け
娘が勤め先の方の結婚式に着物で出席したいと言うので、写真学校の卒業式以来久し振りに着付けをしました。
私は二十代の時に和装の着付けを2年間習っていましたから、関西ファッション誌Girl's Styleの編集をしていて普段は私の意見は全然聞いてくれない娘も、着物となると勝手が違うようで頼りにしてくれるのはちょっと嬉しいことです。近年、お祭りや初詣などには、自由過ぎて思わず目を背けたくなるような着物姿を目にすることがあって残念で仕方がなかったのですが、娘はカジュアルファッションと伝統の和装をしっかりと区別して考えてくれて・・・そういう意味でも嬉しいと思いました。
娘は、子どもの頃から何回か着物のモデルをしました。とくに舞妓さんのポスター撮影のロケで市中に出た時には、いくらモデルであって本当の舞妓ではなくても、海外からの観光客には日本の伝統として区別なく目に映るのだからと、立ち居振る舞いも注意をされました。確か中学1年生の時だったと思いますが、そのような体験をさせていただいたことが娘の心の隅に生きているのだと思います。私も、伝統を大切にされる京都の方の精神に触れたように思いました。
「基本を知った上で本当のアレンジ(着崩し方)が出来る」と着物を通して感じました。自由すぎる今の着物ファッションは、元来の良さを知らないまま着物を着ているのだろうと思います。今海外からは日本のアニメの延長上にあるファッションに注目が集まったり、日本の文化に関心が高いようです。アニメという世界共通の文化が広がったことは大変嬉しいことですが、伝統文化についても正しく紹介できるようになりたいものだと思います。最近「服育」というということも言われるようになってきました。マナー・機能・デザイン・環境・・・様々な角度からファッションを考えなくてはと思います。
下記は、外国人から「教えてほしい」と言われたものですが、私は日本で育った日本人なのにいざ訊かれてみると厳密なことは知らないことを痛感しました。またクラフトと違って私には英語では微妙なニュアンスが伝えられないので、どなたかよろしければ編集をお手伝い下さい。
よろしくお願いします。
※写真の舞妓姿は京都チャンネルのポスター撮りのポラで、文中にある実際の舞妓さんと同じ着付けをしてもらった時のものではありません。実際は髪を結うだけで2~3時間を要し、帯は男衆(おとこし) さんが結びます。