プラスチック Plastic 塑料 플라스틱 ・・・


私たちはプラスチックを現代発明だと思っていますが、
琥珀鼈甲砥石のような「天然高分子」が昔から利用されていました。
19世紀後半は完全な合成プラスチックが開発されるための準備期間のようなものでした。
本格的な合成プラスチックの前に1870年に特許が取られたセルロイドがあります。
義歯、ビリヤードで普及しましたが、非常に燃えやすいという欠点がありました。
現在のYouTubeやアニメ文化も元は映画で、そのフィルムはセルロイドでした。
また後に成形機が発明され、1920年代には眼鏡フレーム「ロイド眼鏡」が流行し、
ファッションブームもまたプラスチックと共にあります。・

1907年にベルギー生まれの化学者レオ・べークランド(Bakeland)によって
完全な人造(合成)プラスチックが発明され、「ベークライト」の特許が取られました。
優れた電気絶縁の特性は自動車と工業製品の絶縁体に使われ、
当時の先進機器である電話、ラジオ・キャビネット、カメラなど様々な製品に活用されました。

新しいプラスチックが発明される度に、
一般社会ではその商品名(特許名)がプラスチックの代名詞に使われてきました。
ビニル(PVC)は1910年代に発明されたプラスチックです。
レジ袋は、現在はポリエチレン(PE)で作られていますが、
いまだに「ビニル袋」の通称があるのはそのためです。

そして、ここに書いたように新素材の発明と工作機械の発明の両方が組み合わされて
工業製品が進歩して、生活も進歩して来ました。
私達が普段見ることの無いエンジニアプラスチックがあって様々な製品が生み出されています。
ベークライトから90年後には、逆に電気を通すプラスチックの発明がノーベル賞に選ばれました。
社会生活の変化によって新しいニーズと視点が生まれ、研究によって新しい製品が開発され、
私達は便利な生活を送れるのです。
  「なぜプラスチックに電気が通ったか」(eサイエンスより)

そんなプラスチックを人間のマナーより先に悪者にして槍玉に上げるのは間違っています。
プラスチックと一言に片付けないで、様々な種類と特性があることを身近なものから学んで、
リサイクルも効率の良い最適な方法を選べるように、一人ひとりが知識を得て、
少しでも未来の地球に役立つように、自身で考えてみることが第一歩だと思います。


私は日本が優れていると思うことがあります。
それは以前は「ビニル袋」と呼んでいたものが「ポリ袋」に変わって来ていることです。
英語で「Plastic bottle」と呼ぶものを「ペットボトル(PET:ポリエチレンテレフタレート)」と呼ぶことです。
プラスチックの総称でしか呼ばれないから「プラスチック=有害」と思う人も出てくるのでしょう。

今回の地震では、そのペットボトルが活躍しています。
ガラス瓶なら割れていたかもしれませんし、
重い物を輸送するとそれだけ燃料も多く必要なのです。
いろいろな観点、様々な視点を秤にかけて考えなくてはいけないと思いました。

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