PAY IT FORWARD (ペイ・フォワード) 1

 邦題「ペイ・フォワード 可能の王国」2000年アメリカの映画です。
内容は、担任の先生が出した課題「良い世界に変える方法」の答えとして、家庭環境に恵まれない少年が「他人から受けた善意を、自分も3人へ回す」という方法を想い付き実践して行くストーリーです。
マルチ商法と同じ方法ですが、もし善意が途切れず伝わって行けば大きなムーブメントになり得ます。
以前科学教室のボランティアをしていた時に感じたことも同じです。伝える側も教室に参加出来る子どもたちも小さな人数ですが、それが別の人に伝わって多くの人が科学に興味を持つように・・・ボランティアの人達は皆そう信じて活動しているのです。しかし現実はもっと複雑です。善意の波が届くまで時間や距離や置かれた状態が遠い人達がいることに気付かされます。私がそのことに気付いたのは我が子が長い間病気だったからかもしれません。
その時、その状態から私達親子を救ってくれたのがITです。ITはペイフォワードに巡り合える確率を高めるものだと思いました。それで、私達を救ってくれたITを使う方法でペイフォワードしようと考え、もっと多くの子ども達に繋ごうと思いました。それがITCキッズページです。そして、その後の出版や現在のwikiHow執筆にも繋がっています。
 もちろんオンラインだけでは伝わらないこともありますから、オフラインも大切にしなくてはいけません。
オンラインは大抵の場合一方通行で伝えた相手を知ることがない孤独な活動です。ただ情報を受け取るだけでなく感想などお便りを戴いた時はとても嬉しいものです。またそれだけでなく、実際に他人が作るプロセスを目にすることは教える側にとっても勉強になって、ヒントを得て新しい工夫が生まれることも多くあるので、本やWebサイトではない対面する教室も大切にして行きたいと思います。

 著書2冊は4万人近く、wikiHowの私の記事読者は最近100万人を超えました。一気にペイフォワードすると私自身のオフラインの機会は少なくなるのがさびしいですが、考えてみれば少年も先の先はもう知ることはありません。でも、もし少年が死ななければめぐり巡ってきっとフィードバックがあっただろうに・・・と思いました。
 善意とモノづくりの違いは、たぶんフィードバックのあり方にあると思います。映画評とは違うクラフトから見た映画「ペイ・フォワード」でした。


wikiHow Herald  Feature Two
http://www.wikihow.com/wikiHow:Herald/Story-Two

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